[本] Subject to Change

2008.12.08 月

Subject to Change
Subject To Change -予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る

アメリカのUX系デザインファーム?のAdaptive Pathの中心メンバーによる共著で、成功する製品やサービスを生み出すために必要な視点、組織体制、実践すべきプロセスが包括的に語られている本。

IA(Information Architecture)に関する仕事をしている人ならば、Adaptive Pathという会社の名前は聞いたことがあるかもしれないが、顧客の体験(User Experience)を主眼において、ウェブサイトやソフトウェア、製品を作るためのコンサルティングをしている会社。業界的には老舗でJesse James GARRETTなど日本でも名前の通った人も多い。
まぁこんな説明より、DESIGN IT!のAdaptive Path社を紹介したページの方が間違いなく分かりやすいので、参照してください。

そんな彼らが創業してから、現在に至るまでビジネスを構築してきたエッセンスが込められた内容だと思う。
製品(サービス)を作る上では、顧客が感じる体験が最も重要な要素であり、顧客体験をデザインする為に組織をデザイン志向でドライブして行くという事、タイトルが示すとおり変化し続ける世界に対応する為にアジャイル(軽量な)プロセスが求められるという事。
一言で感想を言うならば、書かれている内容は圧倒的に正しい。ただそれを実現するのも圧倒的に難しい。

実際にAdaptive Pathが作成した自分のいる会社に関する調査報告と簡単な提案を含んだレポートを読んだ事があるが、きわめて正論で反論の余地はない。ただ今も実現できていない。
一つ具体例を挙げれば、”(システム的に)製品のカテゴリ構造は世界で統一すべきだ”というメッセージ。至極当然のメッセージだが、同じ製品であっても、日本と中国ではマーケティングにおける位置づけが大きく異なることはよくある。
例えば日本では大衆車と言われるカローラは、ブラジルでは高級車とか。(トヨタの人ではないので正確ではないかもしれない)

全体的な印象も、ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」などのサイト制作者向けというよりは、プロダクトマネージャー、マーケティング担当者などのクライアント側の人が読むべきいわゆるビジネス書的な性格のほうが強いと感じる。

最近仕事の進め方であったり、プロジェクトゴールで悩んでいる自分にとっては意味がある本ではあるが、それはあくまで大きな方向性を再確認させてくれるという意味が大きい。

ただ、日々の仕事に役立つHowtoももちろん含まれている。具体的に一つ心に残っている箇所をあげるなら、ユーザ行動と調査結果は、調査部門の担当者だけが知っていても意味が無い、それらはステークホルダーで共有され共通認識となってこそ初めて意味をなす的なニュアンスだろうか。
まさにユーザー調査をしている自分にとっては頭が痛いところ。

ということで、諸々押し並べて、★★★★☆

最後に何となく、勝手な印象だが、この本の真意はクライアント側の人々に自分たちの存在意義を訴えるそんなことなのかもれないと思った。

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One Response to “[本] Subject to Change”

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