[本] 収奪のポリティクス / エドワード・W・サイード

2009.03.16 月

エドワード・W・サイード
収奪のポリティクス

エドワード・W・サイード

ずいぶんと時間がかかってしまった。ここのとのところチョムスキーなどをへてサイードのこのアラブパレスチナ論集成にたどりつき、日々数十ページを読み続ける事約3週間ようやく、エピーローグを読了。

イスラエルパレスチナを含む中東に関して、ほとんど知識がないところから読み解き始めていく作業(右手にWikipedia)はかなり時間がかかりました、サーイードの主張するおお旨の方向性に関しては、理解できました。細かいところは全然、あと10回くらい読まないと。

日々悪化し続けるイスラエルとパレスチナを見据えながら、無策なパレスチナの人々、無能で腐敗していくPLO、そしてすべてを拒絶するイスラエルとアメリカ合衆国、これらのすべてに対して批判的、しかし同時にメッセージを送っている。

基本的にこの大作はサイードが様々な出版社に寄稿した文章を再構成しているが。まず第一章のパレスチナとパレスチナ人では、1948年以降どのようにパレスチナ人が弾圧され、奪われ殺されてきたか、同時にイスラエルがパレスチナを侵略してきたかとい陰惨な歴史が語られている。

第二章のアラブ世界では、中東諸国の歴史、とりわけアメリカ合衆国の関係を中心に論考が加えられている。第三章のポリティクスと知識人では、名友チョムスキーからはじまりこれら政治家、ジャーナリストなど知識人がどのようなスタンスでアラブ問題と接してきたを綴っている。

圧倒的な軍事力とアメリカという巨大な庇護を持つイスラエルという国家の領土拡大という侵略行為に対して、なす術をなく殺され、土地を奪われていくパレスチナの人々。大きな”壁”に対するささやかな”卵”の反抗はテロと呼ばれ、世界中から非難を浴びます。ヴェトナムからの撤退を訴え、南アフリカの黒人解放を声高にさけび続けた、左翼的なリベラルな人々、メディアは一体どこにいったのでしょうか?

パレスチナ、イラン、アフガニスタン、イラク、パキスタン、エジプト、これら中東の国々にアメリカは、時に支援し、時に敵対しながら、積極的に関与してきました。これらアメリカの中東戦略の成果がは今のそれぞれの国をみれば明らかではないでしょうか。

果たしてオバマ大統領はなにか”Change”できるのでしょうか?

この著作の至る所には、アラブに関する音楽や映画、舞台や小説が何点も紹介されています。それはサイードが熟練のピアニストでもあり、民族にとって文化が如何に重要であるかを信じているかのように見て取れました。そんなアラブの芸術を探しながら読むのもおもしろいかもしれません。

しかし、まだ僕はこの偉大な思想家文筆家の大作の30%も理解できていないということで★★☆☆☆。イスラエル・パレスチナ・中東でなにが行われてきたかを知る為にもぜひ、読んでほしい本です。

収奪のポリティックス
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