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IAの役割と成果物:ユーザーエクスペリエンスデザイン成果物リスト

2009.02.13 金

日本語のBlogでは、IA(Information Architecture)に関して言及しているものはそれほど多くない。
それは情報アーキテクチャーという領域がそれほど認識されていない、または情報アーキテクトという役割で仕事をしている人が少ないのか、事実IA(Information Architect)という肩書きを持った名刺をもらうことはあまりないし、実際の仕事は、Webディレクターとそれほどかわらないというのが現状なのかもしれない。

前置きはこれくらいにしておいて、今日は、ユーザーエクスペリエンスデザイン成果物リストという記事のご紹介。
ユザーエクスペリンスというと堅苦しい気もするが、Webサイトに代表されるような体験型のメディアをデザインするプロジェクトにおいて、どのような成果物が必要かとリスト。
アンビエント・ファインダビリティ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅』の著作者であるピーター・モービルが著作者で、訳は同著の訳者でもある浅野 紀予さんがされている。
インフォメーションアーキテクト、ディレクター、デザイナーどんな肩書きであってもウェブサイトに関わる仕事についている人であれば、一読の価値があると思う。

ユーザーエクスペリエンスデザイン成果物リスト(User Experience Deliverables)

シロクマ本や『アンビエント・ファインダビリティ』でおなじみのピーター・モービル(Peter Morville)が率いるSemantic StudiosのPublicationsコンテンツが約1年半ぶり(!)に更新され、「User Experience Deliverables」という記事が公開されました。
ユーザーエクスペリエンスデザインに関わる各種の成果物のまとめという実用的な記事ではありますが、いかにもPeterらしいユーモアがちょこちょこと顔を出している、なかなか面白い内容です。

このリストを読んで思いだしたのが、ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」―5つの段階で考えるユーザー中心デザインの最後の章に書かれていた、ビッグIAとリトルIAという考え方。
前者はこのリストにあるように、ビジネス戦略、情報デザイン、用件定義、グラフィックデザインなど情報アーキテクチャーに関係する大きな領域をIAの領域ととらえる考え方、後者はより狭義に、コンテンツの整理や情報の構造化といった領域のみをそれとらえる考え方。

自分の立場は、組織内ではIAとして定義されているが、最近のこした成果物で考えれば、フローチャート(Process Flow)、要求仕様書(Specifications)、実施計画書(Plan / Statement of Work)、ちょっと前にWireframeは書いたかな。
広義とは言いがたいが、周りを見渡す限りでは、だいたい得手不得手な領域があって、1から20まで自分で手がける人はちょっとまれかな。

個人的には、より狭義になればなるほどに専門性が必要になると思う。ただしウェブのようなツールであったりシステムであったり、デザインであったりアートであったりする多面的なメディアにおいては、そのアプローチを狭めてしまうものになるのかもしれない。一部のスーパークリエーターみたいな人々を別にして。

事実、企業のウェブ担当者として求められる理想像は、ビジネスとシステムとデザインの概念を統合的にインテグレートできるまさにビッグIAを地でいく人物像の要に思えるし。

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[本] ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」—5つの段階で考えるユーザー中心デザイン

2008.12.09 火

ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」
ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」―5つの段階で考えるユーザー中心デザイン

先日、取り上げたSubject to Changeの書評でも少し触れましたが、Adaptive Path社のJesse James GARRETTが書いている『The Elements of User Experience: User-Centered Design for the Web 』の日本語訳。訳者はソシオメディアの人々で篠原さんがあとがきを寄稿されてます。

英語では2003年に出版されており、日本版も3年まえの2005年と若干古い本ではあるが、本書の核として語られるJesse James Garrett’s 5 Planes Modelは、現在でもウェブサイトを構築するためアプローチ、もしくは考え方としては基本的に正しい。


Jesse James Garrett’s 5 Planes Modelを視覚化すると以下のようになる。

Jesse James Garrett’s 5 Planes Model

簡単に概略だけ書くと、ウェブサイトは以下の5つのレイヤーで構築されていて、それぞれのプロセスで適切なアウトプットが求められる。

  1. Surface(表層)
  2. Skeleton(骨格)
  3. Structure(構造)
  4. Scope(要件)
  5. Strategy(戦略)

例えば、Strategyでは、戦略・実施計画書であったり、Scopeでは要求仕様書であったり、Structureではサイトマップであったり、Skeltonではワイヤーフレームだったり、Sufaceではデザインカンプだったり。
プロセスという意味合いで言えば、もちろん最後には実装を伴い、テンプレート分のPSDができたり、HTMLができたりする。

詳細については、Jesse James GARRETTのサイトにオリジナルが掲載されていて、PDFもダウンロードできるので、一読してみるといい。

この本に書かれている内容は、非常に理想的なもの。実際に著者自体が語っているが、これらのプロセスを十分に踏まえて進行する事ができるプロジェクトは稀で、Information Architectureが当たり前の様に考慮され、専門のInformation Architectsが存在する組織というのはほとんどない。

実際に日本でウェブサイトの構築に関わっている大半の人は、プロジェクトの管理をしながら、サイトの設計を行い、取材を行いテキストをおこし、時にはフォトショップを開いて画像を編集したり、HTMLを開いてタグを編集している、そんな業務を一人または、少人数でこなしているかもしれない。

クライアントはユーザーなんて言葉もしらず(言い過ぎ?)、最大のステークホルダーは上司で、公開全日になって仕様変更を突きつけられたり、と行った事も日常茶飯事かもしれない。

もしそんな状況に置かれているのあれば、まずこの本を手に取ってみるといいかもしれない、まず自分の仕事は”何”を作る事で、何を考えて進めなければならないかというヒントにはなると思う。
と、こんな偉そうな事を書いていても、最近難航するプロジェクトの中をどう進めればよいか思案中で、とりあえず本棚から引っぱり出して、再読した自分が言うので、説得力はあまりないかも。

明日の仕事にすぐ役立つというわけではないかもしれないが、ウェブサイト作っている人なら一読の価値ありということで★★★★☆。

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[本] Subject to Change

2008.12.08 月

Subject to Change
Subject To Change -予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る

アメリカのUX系デザインファーム?のAdaptive Pathの中心メンバーによる共著で、成功する製品やサービスを生み出すために必要な視点、組織体制、実践すべきプロセスが包括的に語られている本。

IA(Information Architecture)に関する仕事をしている人ならば、Adaptive Pathという会社の名前は聞いたことがあるかもしれないが、顧客の体験(User Experience)を主眼において、ウェブサイトやソフトウェア、製品を作るためのコンサルティングをしている会社。業界的には老舗でJesse James GARRETTなど日本でも名前の通った人も多い。
まぁこんな説明より、DESIGN IT!のAdaptive Path社を紹介したページの方が間違いなく分かりやすいので、参照してください。

そんな彼らが創業してから、現在に至るまでビジネスを構築してきたエッセンスが込められた内容だと思う。
製品(サービス)を作る上では、顧客が感じる体験が最も重要な要素であり、顧客体験をデザインする為に組織をデザイン志向でドライブして行くという事、タイトルが示すとおり変化し続ける世界に対応する為にアジャイル(軽量な)プロセスが求められるという事。
一言で感想を言うならば、書かれている内容は圧倒的に正しい。ただそれを実現するのも圧倒的に難しい。

実際にAdaptive Pathが作成した自分のいる会社に関する調査報告と簡単な提案を含んだレポートを読んだ事があるが、きわめて正論で反論の余地はない。ただ今も実現できていない。
一つ具体例を挙げれば、”(システム的に)製品のカテゴリ構造は世界で統一すべきだ”というメッセージ。至極当然のメッセージだが、同じ製品であっても、日本と中国ではマーケティングにおける位置づけが大きく異なることはよくある。
例えば日本では大衆車と言われるカローラは、ブラジルでは高級車とか。(トヨタの人ではないので正確ではないかもしれない)

全体的な印象も、ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」などのサイト制作者向けというよりは、プロダクトマネージャー、マーケティング担当者などのクライアント側の人が読むべきいわゆるビジネス書的な性格のほうが強いと感じる。

最近仕事の進め方であったり、プロジェクトゴールで悩んでいる自分にとっては意味がある本ではあるが、それはあくまで大きな方向性を再確認させてくれるという意味が大きい。

ただ、日々の仕事に役立つHowtoももちろん含まれている。具体的に一つ心に残っている箇所をあげるなら、ユーザ行動と調査結果は、調査部門の担当者だけが知っていても意味が無い、それらはステークホルダーで共有され共通認識となってこそ初めて意味をなす的なニュアンスだろうか。
まさにユーザー調査をしている自分にとっては頭が痛いところ。

ということで、諸々押し並べて、★★★★☆

最後に何となく、勝手な印象だが、この本の真意はクライアント側の人々に自分たちの存在意義を訴えるそんなことなのかもれないと思った。

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IA Cocktail Hour Tokyo 04

2008.12.05 金

IA Cocktail Hour Tokyo 04

11月27日に楽天さん行われたIA Cocktail Hour Tokyo Vol.4(リンク先は要mixiアカウント)に参加してきました。
最初に楽天の清水さんから、楽天社内におけるIAへの取り組みが紹介されて、その後はひたすらフリータイムという形で、いろいろな会社の方と、日々の業務の苦労話などをしてきました。
IA(Information Architecture)と言っても、実際の現場ではいわゆるウェブサイト運営とか構築という文脈で語られることのほうが一般的なわけで、CMSとかアクセス解析など日々の仕事をどうこなすか?といった話題が中心でした。

個人的には、Concentの長谷川さんからちらっと聞いたサイトをエコシステムと捉えて、その中でグロナビ、ローカルナビ等の各機能の役割を考えるといったアプローチがおもしろかったかな?

いい意味で現場の人たちとアカデミックな人たちが玉石混交な雰囲気もなかなか興味深かった。
その場に参加している人たちが、IMJネットイヤーサイエントなどいわゆるベンダー側の人たちだけ無く、楽天さんのように受注側(一応自分もそういう立場)な人たちが多かったのも印象的。
情報設計という技能?職能?が世間一般にも認知されてきたということでしょうか?Web業界も少し変わりつつある印象をうけましたね。

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